昨日、お蔵出し映画祭が福山や尾道で開催されて、そのうちのひとつの映画をみにいってきました。
”しあわせカモン”
という映画。
松本哲也さんの経験した半生。母親との物語。
ヤクザの父親と覚せい剤中毒の母親に翻弄される幼少時代を過ごし、それでも大好きな母親との距離を縮めたい。お母さんと一緒に暮らしたいという思いをもって生きていく哲也くん。
だけど、彼の思いはなかなか実らず、彼自身も荒れ狂った生活を送ってしまう。
さまざまな傷害事件などトラブルを起こし、闇を抱えて行く中、彼を立ち直らせるきっかけとなったのが音楽。
母親の芙美江さんも彼女なりに息子と幸せな生活を求めて頑張るも、その愛情はすれ違い、また心折れてしまう。
愛情のすれ違いを重ねていく中、哲也くんの努力や夢が形となって現れたころ、やっと2人の距離が縮み始める。
実話を元にした映画なので、説得力があるのはもちろんなんだけど、母親を演じた鈴木砂羽さんが本当にすごかった。
いわばダメダメな母親の芙美江さんの弱さ、愛情深さを体当たりで演じていて、みているこちらがグッと感情移入できて引きこまれました。
どんだけやり方が違っていようが、息子を思う愛情は他の母親と一緒。
同じようにどんだけダメな母親だろうと、素直になれず悪態をつこうとも心のどこかで母親を求めていた息子。
みながら色々考えがあふれて涙がこぼれました。
そして現在、松本哲也さん自身は今も音楽活動を続けていて、親を亡くした子供や、虐待を受けるなどして事情があって児童養護施設に入所している沢山の子供達の希望となっているそうです。
彼を追ったドキュメンタリーの中でも、養護施設の所長さんたちが、この
CDが子供たちにとってどれだけすごいお土産になるか、あなた分かってる?って逆に彼に詰めよってました。
あと、他県の施設の所長さんも子供たちの前で歌ってもらいたいと切望してました。
その通り、実際に施設で過ごした経験や、彼自身が起こした過ち、また苦労を重ねてきた彼だから作れる、そして歌える歌が、癒しと希望を子供たちに与えているそうです。
今は3,11の震災の被害を、入所していた施設が受けてしまい復興支援やボランティアに力を入れてるようですが、日本全国の児童養護施設に行って歌をうたい、昔の自分と同じように苦しんでいる子供たちを励ましたいと考えているそうですよ。
ほんと立派な青年だと思います。
いわて三陸復興食堂
松本哲也さんのブログ
↑これが、松本哲也氏が代表で活動している移動式エンターテーメント一体型炊き出しキャラバンのHPと、活動の状況もアップしているブログ。
ただお金を集めてやるってだけじゃない、支援の仕方が好感もてます。
ユキヤナギ。お母さんを想って書いた歌だそうです。
お母さんもきっと天国で喜んでるよ。
うわっつらで「俺って歌うまいでしょ?」って感じの、ちゃらちゃらと目立つことばかり考えている軽くてただうまいだけの歌手よりも、飾る事なく魂で歌う歌手には説得力があるわ。
今後も頑張ってもらいたいと心から思ったよ。
そしてこの映画、映画祭でグランプリをとったら劇場で流される権利が与えられるそうです。
みんなの目に届くチャンスがまた与えられるという映画祭も面白いよね。
しあわせカモン。
観られる機会があったらぜひ。
ちょっとふつうじゃないけど、まっすぐな親子の愛に胸をうたれます。
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